腱板損傷とは肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の腱で構成される腱板が傷ついてしまうことを言います。
腱板は肩甲骨と上腕骨をつなぎ安定性をもたらす役割をしています。
腱板損傷は1回の外力で発生するものと、加齢などによる変性に加え、腱板脆弱部に繰り返しの張力が加わり、変性が進行し損傷や断裂にいたるものがあり、いずれも40歳以上、特に60歳代の男性に多いと言われています。
腱板損傷は腕の上げ下ろしで、一定の角度(外転60〜120°)で痛みが生じ、引っ掛かり感を伴うことがあります。
また他動運動では腕が上がるのに、自動運動では痛みのため上げることができません。
また、就寝中、痛みで目が覚めることもあります。
急性断裂の場合、断裂音とともに激痛が伴い、腕が持ち上がらなくなります。2〜3週間程度痛みが続きますが、徐々に落ち着いていきます。
これらの症状は、五十肩と似ているので鑑別が必要になります。
初期段階では痛いと感じる動作は避け出来るだけ安静にします。
マイクロカレント療法、鍼治療などで炎症を抑える施術が中心となります。
痛みが軽減してきたら超音波、ハイボルテージ療法で深層の筋肉に刺激を加えます。
また上腕骨を肩甲骨に押し付ける力を回復させることが重要であるので、肩関節を構成する腱板の可動域訓練、筋力訓練を行い、完全治癒へと向かっていきます。